農業利益創造研究所

コラム

アンケート結果「ふるさと納税で農産物を販売していますか?」

農業利益創造研究所では、農業に携わる方からご意見をお聞きするアンケートを定期的に実施しています。2021年9月の1か月間の質問は「ふるさと納税で農産物を販売していますか?」でした。ご回答いただいた方々には、改めてお礼を申し上げます。

ふるさと納税について

2008年4月の地方税法等の改正によってスタートしたふるさと納税の制度は、高い還元率による返礼品競争が過熱し誰もが知る制度となりましたが、さらに昨年度はコロナ禍による通販が活性化し一層増加してきました。

総務省による「ふるさと納税に関する現況調査結果」によると、2020年度の寄付金は6,724億円と過去最高を記録しました。ふるさと納税の受入額No.1は北海道(975億円)、宮崎県(365億円)、福岡県(364億円)という順番でした。

返礼品が現場産品に限るというルールになり、人気の商品は農産物です。農家の方々はどれくらいふるさと納税に農産物を出しているのでしょう? 以下のような結果になりました。

ふるさと納税で農産物を販売していますか?
現在販売しているし、今後も継続する 15.4
現在販売しているが、やめようと思っている 0
現在販売していないが、儲かるなら今後検討してみたい 46.2
現在販売していないが、やり方がわからないので誰か教えてくれたらやってみたい 23.1
販売するつもりは無い 15.4

ふるさと納税を行っている人は15.4%、まだ行っていないが儲かるならば・教えてもらえればやってみたいという人は46.2%、そのつもりは無い人は15.4%という結果です。行っている人は少ないけれど、半数近くの方がやってみたいと考えている、ということです。

農家の立場から見たふるさと納税の良い所は、
・自分でオンラインショップのお店を構築する必要がなく、簡単にネット販売ができる
・自分の商品の実際の価格が見えないので、他の商品との価格競争にならない
・送料などを自治体が負担してくれる場合もあり、利益が大きい
・ふるさと納税の返礼品がきっかけで農産物購入のリピーターになってくれる可能性がある
などが挙げられるでしょう。

ふるさと納税をやっている農業法人の事例

実際にふるさと納税でお米を販売している農業法人に話を聞いてみました。

Q いつからふるさと納税をやっていますか?
A 5年前からです。

Q どんな農産物を返礼品にしていますか?
A お米です。

Q ふるさと納税としての売上はどれくらいですか?
A 2019年は800万円、2020年は1,500万円の売上でした。

Q ふるさと納税のどのサイトに出品してますか?
A 「ふるさとチョイス」です。

Q どうやって出品したのですか?
A 自分の地元の自治体の人に聞いたら丁寧に教えてくれました。とにかく自治体の担当の人とコミュニケーションをとって、色々相談しながら進めています。

Q ふるさと納税のどんなところが良いですか?
A 自治体の人がどうやったら売れる商品になるか相談にのってくれる、送料などを自治体が負担してくれて利益が大きい、ふるさと納税返礼品がきっかけで農産物購入のリピーターになってくれる、ですかね。

Q 返礼品を選んでもらう工夫はありますか?
A たくさんある返礼品の中からうちの米を選んでもらうため、通常ならお米5Kgで販売するところをあえて5.5Kg・1万円で販売して、お得感を出しています。それからなんといってもおいしそうに見えるように写真撮影することも大事ですね。

Q その他、注意することはありますか?
A 農産物と言ってもきちんとした商品です。おいしいものを届ける意識、異物混入無し、荷姿の乱れ、問い合わせ時の受け答えなど、きっちりとした対応が必要なのは言うまでもありません。

Q ふるさと納税、儲かってますか?
A はい、通販で農産物を買うことが当たり前な世の中になってきたので、儲かります!

以上です。ふるさと納税に興味をお持ちの方は、参考にしていただければ幸いです。

まとめ

ふるさと納税は割と容易にオンライン販売できる仕組みであり、儲かる可能性の大きなビジネスチャンスですが、通販を多少なりとも経験していることが前提になるようです。

しかし、ふるさと納税をきっかけに通販ビジネスに挑戦するという判断もあってもよいかもしれませんので、一歩前に踏み出してみませんか。

なお、10月のアンケートは「農業簿記ソフトは誰が入力していますか?」です。農業といえども経営ですから、会計処理は重要です。事業主が入力しているのか? 奥様が入力しているのか? たくさんの投票をお待ちしています。

 この記事を作ったのは 農業利益創造研究所 編集部

農業者の簿記データとリサーチデータをデータサイエンスで統計分析・研究した結果を、当サイトを中心に様々なメディアを通じて情報発信することで、農業経営利益の向上に寄与することを目標としています。