農業利益創造研究所

コラム

稲作農家の所得は他業種よりも高く、そして若い世代の方が高所得!

個人情報を除いた2019年度の簿記データ(ソリマチ農業簿記ユーザー:稲作専業農家1,700人)を統計分析しました。統計基準や用語の解説は「統計分析に使用している用語の説明」をご参照ください。

農業は儲かるのか、儲からないのか、誰もが気になるところだと思います。「脱サラして就農したい」という方も、「収入が減ってしまうから」という理由で家族に反対されることが多いそうです。

一般的に「農業は儲からない」というイメージが流布していますが、それは本当でしょうか?

今回は、一般的なサラリーマン世帯と稲作農家の世帯収入の比較、さらに個人事業主の多い料理飲食業やサービス業との所得比較を通して、「農業は儲かるのか」を探っていきたいと思います。

農家とサラリーマン世帯の所得比較

こちらは、農業簿記を使用している全国の稲作専業農家と、一般的なサラリーマン世帯の所得を比較したものです。

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こう見てみると、50代以外の年代では稲作専業農家が上回っている、という意外な結果が出ました。一般的な企業では年功序列を採用していることが多いため、年齢が上がるほど給与が高くなる傾向にあることが原因かもしれません。

一方の農家では、体力のある30代40代の方が多くの田んぼを管理でき、収量も上がるのではないか、という推測が成り立ちます。稲作農家は物入りな30代・40代の若い時期に高い年収を得ることができるわけです。

農家と個人事業主の所得比較

それでは、他の個人事業主が多い業態と比較してみると、どうでしょうか。

こちらは稲作専業農家の所得を、料理飲食業、サービス業を主とする人員の平均所得(総所得金額等)と比較したものです。

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平均所得は、料理飲食業が244万円、サービス業が300万円、稲作農家が388万円です。つまり、金額を比較すれば、稲作専業農家の方が儲かっているわけです。

「農業は儲からない」というイメージは、必ずしも正しくない、ということがわかります。

もちろん、このデータは「稲作をすれば必ず儲かる」という安直な結論を導き出すわけではありません。このような高い年収を可能とするには、経営に様々な工夫を施す努力が必要です。

では、具体的にどのような工夫をしたらよいのでしょうか? それについては農利研にて様々な情報発信をしていきますので、参考にしていただければ幸いです。

南石教授のコメント

農業は儲からない、としばしばと言われます。

その一方で、農業が儲かるという話も出てきます。儲かる、儲からない、をハッキリさせるには、データが必要になります。

経済産業省『経済センサス』では、全産業の比較が可能です。

農業について個人経営は対象外で、法人経営のみが調査対象となっています。

最新の『経済センサス』では、米作経営の経常利益率は、全産業の経常利益率よりも高くなっています。

個人経営でも、法人経営でも、稲作は、他の産業の平均よりも儲かるようです。

 この記事を作ったのは 農業利益創造研究所 編集部

農業者の簿記データとリサーチデータをデータサイエンスで統計分析・研究した結果を、当サイトを中心に様々なメディアを通じて情報発信することで、農業経営利益の向上に寄与することを目標としています。