農業利益創造研究所

インタビュー

残業なしで年商1億円以上の大規模稲作経営が夢でした!「加藤農場」

レジェンド農家 インタビュー「加藤農場(加藤 剛さん)」

「農業は儲からない」なんて考えはもう古い!
農業だって、やり方次第で儲かるということを実践している農家が三重県にいました。

三重県四日市市の都市近郊・大規模稲作農家である「加藤 剛」さんの経営をご紹介します。

儲かる秘密1:都市近郊で土地が集まりやすく大規模化

四日市市はもともと米を主体に転作作物の小麦・大豆や、ハクサイ・バレイショなどの野菜など多種多様な農業生産が行われています。そんな中で加藤さんも、水稲70ha、小麦50ha、大豆50haを作付けし、妻、両親、雇用6名で個人事業経営を行っています。

都市近郊であるがゆえに土地が集まりやすく年々規模拡大を進め、市内でも最大の農業経営規模を誇っており、農地はすべて地域内に集約し、遠方の農地の耕作を依頼されても断っているとのことで、加藤さんは徹底した「効率化」にこだわっています。

「効率化」の工夫は他にもあり、収量がとれるほ場を伸ばすより収量がとれないほ場を徹底的に管理し底上げを図ること、自動操縦などの先端的な農業機械やICTを導入すること、さらに効率化によりどんなに忙しくても日曜日は完全な休みとし残業もほぼ無しの経営を実践しているとのことです。

儲かる秘密2:米主体+転作作物を最大限活用する

転作作物である麦や大豆は作付面積を拡大し、排水をしっかりと行ったり、豊かな土作りをしたり、基本に忠実な栽培管理と労力を惜しまない取り組みにより収量アップと品質アップの底上げを行っています。

また、加藤さんは、高度な生産技術を有し乾燥調製作業も自分で行っていることから、関係機関からの依頼で麦の「あやひかり」の採種事業にも取り組んでいて、お米以外の麦や大豆でもしっかり売上を上げていることが秘訣です。そして、麦、大豆を作付けることにより「水田活用の直接支払い交付金」を受け取ることができることも収入確保の点では重要です。

加藤さんは、大規模化と効率化により水稲で利益を上げ、品質の良い転作作物で利益を上げ、そして交付金もしっかり活用し安定経営を行っています。これはある意味当たり前のことかもしれませんが、この当たり前をきっちりと効率的にやることがプロなんだと思いました。

 

最後に、加藤さんは「自分の儲けよりも、後継者のため、従業員のため、そして地域のため、に何ができるかということをいつも考えている」とおっしゃっていたことが印象的でした。加藤さんは優秀な経営者ですが、人としてすばらしい方なんだなと思います。

この度は、お忙しいところインタビューありがとうございました。

 この記事を作ったのは 農業利益創造研究所 編集部

農業者の簿記データとリサーチデータをデータサイエンスで統計分析・研究した結果を、当サイトを中心に様々なメディアを通じて情報発信することで、農業経営利益の向上に寄与することを目標としています。