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都道府県ランキング! 2023年果樹経営の農業所得TOP5

個人情報を除いた2023年の簿記データ(ソリマチ農業簿記ユーザー:青色申告個人農家11,655人)を統計分析しました。統計基準や用語の解説は「統計分析に使用している用語の説明」をご参照ください。

毎年当コラムにて、農業所得の都道府県ランキングシリーズを掲載していますが、今年も果樹経営のランキングを調べましたのでご覧ください。

※なお、このランキングはあくまでも『農業簿記』ユーザーの分析結果です。全国の農家全体のランキングとは異なっている可能性がありますので、ご了承ください。

果樹経営の前年比較

まず都道府県ランキングを見る前に、果樹農家1,947件の2022年から2023年への増減率を見てみましょう。

果樹の作付面積トップ9(農林水産省の作況調査による)の県の増減率を算出し、以下のようにグラフにしてみました。

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全国平均としては、販売金額も世帯農業所得(控除前農業所得+専従者給与)も前年と変わりませんでした。

しかし、県によっては変化があり、例えば山形県は減少しています。山形県で有名なサクランボの前年比を調べてみると、販売金額がマイナス330万円、所得がマイナス160万円でした。さらに、西洋ナシの所得がマイナス170万円です。

和歌山県も同じく減っています。和歌山県の特産であるウメの農家を調べると、販売金額は250万円減、所得は230万円の減でした。

一方、熊本県はかなり増加しており、熊本県で有名なみかんなどのカンキツ類農家は、販売金額は610万円増、所得は150万円の増加でした。

農林水産省によると、和歌山県のウメは台風による強風と豪雨による枝折れや果実の落下等により、出荷量が前年比6%減ということです。果樹は天候や災害に対してストレートに影響される、ということがあらためてわかります。

収入金額 都道府県TOP5

次に、収入金額を都道府県ごとにランキング集計し以下のような結果になりました。(経営体数が30件未満の都道府県はデータの信頼度が低いとみなしてカットしています。)
農家一戸当たりの収入金額平均の1位は、2022年と2023年ともに栃木県(2,400万円)でした。

収入金額
2022年度2023年度
全国平均14,887全国平均14,977
栃木県21,468栃木県24,011
和歌山県20,237大分県19,415
福島県 18,058和歌山県18,897
新潟県17,992熊本県18,359
山形県17,575福島県17,780

※金額の単位は千円

2022年ランキングに入っていなかった大分県が2位に上がってきました。栃木県といえば日本ナシが有名ですが、大分県の大規模果樹経営を調べてもやはり日本ナシが多かったです。日本ナシは近年の注目品目なのでしょうか。

また、熊本県も4位に上がってきています。先に書いたように熊本県のカンキツ類農家は、販売金額も農業所得も大きく増加していました。

世帯農業所得 都道府県TOP5

世帯農業所得では、またもや栃木県が1位で990万円でした。1位から4位までは変化がありません。栃木県、和歌山県、福島県、山梨県、は「果樹の儲かり産地」と言えそうです。

世帯農業所得
2022年度2023年度
全国平均5,187全国平均5,215
栃木県8,529栃木県9,907
和歌山県8,166和歌山県7,000
福島県6,392福島県6,751
山梨県6,295山梨県6,411
新潟県5,637熊本県5,481

※金額の単位は千円

世帯農業所得率 都道府県TOP5

世帯農業所得率(世帯農業所得÷収入金額)を見ると、またもや山梨県がトップでした。山梨県で所得率が高い品目を調べるとブドウがほとんどであり、生産費用が少なくて付加価値高く売れる品目と言えます。

和歌山県が5位に落ちたのは、先にも書きましたが、ウメの販売金額が減少したためと思われます。

世帯農業所得率
2022年度2023年度
全国平均34.8%全国平均34.8%
山梨県44.0%山梨県45.4%
和歌山県40.4%栃木県41.3%
栃木県39.7%岡山県38.5%
長野県37.3%福島県38.0%
岡山県36.7%和歌山県37.0%

品目別の農業所得率ランキング

最後に、果樹の品目別の農業所得率ランキングを集計しましたので見てみましょう。「儲かり果実ナンバー1」は所得率41.2%のブドウでした。

2023年 品目別の世帯農業所得率TOP8
収入金額世帯農業所得世帯農業所得率
ブドウ14,0305,77841.2%
スモモ12,2894,84239.4%
ウメ15,7876,19039.2%
日本ナシ16,2186,19338.2%
モモ13,4585,09237.8%
ブルーベリー13,1284,85437.0%
カンキツ類16,1485,25132.5%
リンゴ14,5714,34429.8%

※金額の単位は千円

ブドウというと人気のシャインマスカットがすぐ思い浮かびますが、昨年シャインマスカットは栽培面積が増え、海外輸出が減って国内流通量が増えたことに加え、果実障害による品質低下があり価格が下落しました。儲かるからといっても必ず何らかのリスクがあるのです。

スモモが2位というのはちょっと意外ですが、スモモは経費や手間がかからず、栽培難易度が低いとのことなので、実は目立たない儲かり果実なのかもしれません。ウメは2022年は所得率44.1%の1位でしたが、気象変動や災害により生産量が減った結果だと思われます。

こうやって見るとリンゴの所得率はあまり高くありません。農林水産省の作物統計を見ても、2023年のリンゴの生産量は前年比18%減で過去最低でした。これは春先の凍霜害と夏場の高温障害が響いたそうです。

まとめ

果樹経営の都道府県ランキングを調べると、その都道府県で特産品である果実の出来(気候変動や災害)に影響されることがわかりました。リンゴやサクランボ、ウメは販売金額や所得が減り、逆に日本ナシ、カンキツ類、ブドウは好調でした。

中でも、日本ナシが大規模経営で生産され、収入金額・所得額・所得率すべてが良い結果となっているのはちょっと注目です。じゃあ、すぐ日本ナシを作付けしようか、と思ってもできないのが果樹経営の難しさです。儲かる果樹経営を次の世代の後継者につなげていくことの重要性をあらためて感じます。

関連リンク

農林水産省「作況調査(果樹)」

 この記事を作ったのは 農業利益創造研究所 編集部

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